日東駒専の付属の半付属化が進む

ここ数年、大学付属高校の半付属化が進んでいます。とくに成成明学獨國武ではその動きは顕著なものとなっています。そして、日東駒専の付属においても年々、半付属化の動きが止まらなくなってきています。

例えば、東京都の日本大学の付属では、日大二高と日大三高については、かなり以前から半付属化されていましたが、日大鶴ケ丘高校においては特進コースがつくられ、来年度から普通コースを総合進学コースと改めるなど、日本大学の進学に限らず他大学受験についても力を入れていけるよう組織改編が着々と進んでいます。また、日大櫻丘高校でも、特進クラスを設置し、他大学受験に対応できるような組織づくりを進めています。また、日大豊山女子高校や目黒日大高校でも、日大進学のコースをN進学コースとして定め、他のコースでは他大学の受験を目指せるようにカリキュラムを編成しています。

こうした動きは、日本大学の付属だけでなく、東洋大学の付属である東洋大学京北高校においても、数年前の京北高校から東洋大学京北高校として校名変更された当初から、半付属化の高校を前提とし、東洋大学への付属推薦枠を半数程度に抑え、入学当初から他大学進学を目指す教育を行っています。

駒澤大学の付属高校である駒澤大学高校では、駒澤大学以外の進学を目指す生徒のための指導を重質させてきており、GMARCHの合格者が年々上昇しています。また、以前までは駒澤大学への進学できない生徒が駒澤大学より低い他大学を受験していた実態から、確実に中位から下位層が駒澤大学へ優先入学している状況に変わってきています。

最後に専修大学の付属高校で、卒業生の9割が専修大学へ進学している専修大学附属高校ですが、1割の他大学受験をする生徒のために、付属推薦の生徒の雰囲気に流されずに集中して学習ができるように徒歩数分程度の場所に別校舎を建て(廃校になった杉並区立小学校の敷地を借用し)てるなどの配慮を数年前から行い始めました。確実に他大学受験希望の生徒も大切にする方針にシフトチェンジしてきている様子が見受けられます。

こうした背景には、成成明学獨國武の付属高校や日東駒専の付属高校は私立高校の大学附属高校人気が高まった昭和後期から偏差値60以上の生徒が多く入学するようになってきたのですが、少子化が加速する中で、大学入試が易化しはじめ、現在は高校入学時に偏差値60以上の学力があれば、それなりの確率でGMARCHの大学へ一般受験しても合格することができるようになってきたため半付属化し、系列大学への進学の権利を確保しつつ、より難関の大学への進学をも可能にする学校経営をすることで、入学していくる生徒の学力を安定的に高い水準で維持するように取り組まざる負えないからであるからだと思います。

つまり、少子化が進むべば進むほど、半付属化の傾向はますます進んでいくことになると思われます。あとは、開き直って系列大学への進学を中心に学校経営すれば、入学していくる生徒の偏差値は低くなることを覚悟で経営を行っていくかです。ただ、どこの高校も入学者の学力水準が下がることはできるだけ避けたいと思っていると思います。

個人的には、偏差値55以下の高校に通っている生徒も系列大学進学をほぼ保障された中でのびのびと高校生活を過ごす選択肢を与えてあげて欲しいと思うのですが・・・。一度偏差値が下がり始めると、底なし沼のように下がり出すのでは・・・というトラウマが各高校にはあるのかどうかわかりませんが、なかなか、思い切って系列大学への進学を前提として、入試を易化する覚悟をもって、身の丈の学校経営をする覚悟はもてないのかもしれません。

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